大分県6次産業化サポートセンターでは、6次産業化に取り組んでいる方、またはこれから取組む方を対象に「おおいた6次産業化チャレンジスクール」を開催しました。
ビジネスプラン、商品開発、販路開拓、デザイン、ブランディング、食品表示、HACCP等の講師を招へいし、計11回の連続セミナー及びインターンシップ研修を実施しました。
■講義1・2■ 日時:令和2年8月21日(金) 13:10〜16:20
【講義1】 6次産業化で地域を元気に! 〜農業でわくわくドキドキを届けたい〜
講師:馬場ファーム 代表 馬場康平 氏 (福岡県)
福岡市の脇山地区で、お米の栽培を行いながら、生産が途絶えていた地域産品の
「脇山茶」を復活させる活動。さらに地元の有志が集まってできた「脇山あぐり倶楽部」のメンバーとして、茶の栽培から「脇山ジェラート」という6次産業化プロジェクトを立ち上げるなど、多岐にわたる取り組みを行っている馬場ファームの馬場氏を招へいして、地域振興への思いや具体的な6次化の取り組み内容について講演を行いました。
【講義2】 6次産業化の概論とビジネスプラン
講師:株式会社トータルオフィス・タナカ 代表取締役 田中美智子 氏 (福岡県)
講義2は、6次産業化中央プランナーとして活動を行っている田中氏による基調講演。事業者の強みや、商品の魅力を活かして「売れる商品開発・販路開拓」を行うこと。また6次産業化とは「ものづくりだけではなく、儲かる仕組みづくり」が重要になることなど。制度の説明からビジネスプランの作成まで、経営感覚を持って6次産業化に取り組むことの必要性ついて様々な話がありました。
■講義3・4■ 日時:令和2年11月26日(木) 13:00〜17:00 ※9/2台風による延期
【講義3】 選ばれる6次化商品の企画・販路開拓
講師:ユフ企画 代表 油布恒文 氏 (大分県)
講義3では、県内で多くの商品開発や販路開拓の支援を長年に渡って行っている
油布氏を講師として招へいして、実際に地域産品が消費者に届くまでのバリューチェーンの仕組み、消費者ニーズの動向やバイヤーの求めていること等、多くの事業者が課題と感じている販路開拓について、元バイヤー視点による「マーケットインとプロダクトアウト」の商品開発と販路開拓について、講義を行いました。
【講義4】 売れる商品デザインとブランディング
講師:株式会社インプレス マーケティングデザイナー 綿貫裕崇 氏 (大分県)
講義4は「売れる商品デザインとブランディング」と題して、県内外において多くの商品デザイン、ブランディングの実績を持つ綿貫氏による講義を行いました。競合他社との差別化が出来るデザインやブランディングとは何か、そして差別化を図るうえで最も重要なマーケティングやコンセプトづくりについて話がありました。
これまでの活動実績のうち、ヒットした商品のデザインについて、ひとつひとつ説明をいただいたので、参加者の皆さんの関心も高い講義となりました。
■講義5・6■ 日時:令和2年9月16日(水) 13:00〜16:00
【講義5】 HACCP制度化と食品衛生・品質管理
【講義6】 食品表示制度の基礎知識
講師:フーズテクニカルサービス 副代表 弘蔵周子 氏 (大分県)
「HACCPの制度化と食品衛生・品質管理」「食品表示制度の基礎知識」と題して、前半と後半の2部構成で実施。前半はHACCPに基づく食品衛生管理の考え方や
取り入れ方、食品衛生法の改定や営業許可の変更点等を学び、後半では食品表示
に関する関係法令から、具体的な原材料・添加物等の表示等について、分かりやす
い説明がありました。
■講義7■ 日時:令和2年10月6日(火) 13:00〜16:00
【講義7】 商品開発におけるマーケティング戦略
講師:株式会社トータルオフィス・タナカ 代表取締役 田中美智子 氏 (福岡県)
講義7では、再び田中講師を招へいして、商品開発において重要なマーケティング戦略について講義を実施しました。消費者の動向、ニーズを知り、消費者が求める商品開発を行なうこと。また、「自分たちのコンセプトをしっかりと持つこと」を念頭において、戦略的に販売計画を立てることの大切さについて話がありました。
■講義8■ 日時:令和2年10月21日(水) 13:30〜16:30
【講義8】 FCPシートの概論と活用法
講師:1031ビジネスコンサルティング 代表 石本和治 氏 (奈良県)
講義8は「FCPシートの概論と活用法」と題して、商談の際に必要となるFCPシート
の基本的な書き方から、実際の商談における活用法まで、元百貨店バイヤーを講
師に招へいして講義を実施。今回、参加者の半数がFCPシート作成に関して初心
者でしたが、バイヤーが求めている情報、アピールする強み・訴求ポイント等について細かく説明がありました。
■講義9■ 日時:令和2年10月28日(水) 10:00〜16:30
【講義9】 FCPシートの作成演習
講師:1031ビジネスコンサルティング 代表 石本和治 氏 (奈良県)
講師:フーズテクニカルサービス 副代表 弘蔵周子 氏 (大分県)
前回に続いて、個別指導の形式によるFCPシートの作成演習を実施しました。
参加者は加工品を持参して、価格設定から、自社の強み、生産している環境、安全
面等についてきちんととシートに表記されているか、具体的にどの様にFCPシート
に記載すればよいか、詳しく細やかな指導を受けました。皆さん最初は戸惑いなが
らも無事に完成させることが出来ました。
■講義10■ 日時:令和2年11月11日(水)・12日(木) 10:00〜16:30
【講義10】 商品評価とブラッシュアップ
講師: きしな屋 代表 岸菜賢一 氏 (大阪府)
講師: 株式会社 日本百貨店 主任バイヤー 日暮学 氏 (東京都)
講義10では、関東・関西より現役バイヤー2名を講師として招へいして、模擬商談による「商品評価とブラッシュアップ」を行いました。参加者は、それぞれ持参した商品について、FCPシートを活用しながら特徴や自社の強み等についてアピールを行い、その後、講師による各商品の「味」「パッケージデザイン」「価格」「内容量」「商品企画」について評価を受けて、今後の商品改良、販路拡大に活かせる指導を受けました。
■講義11■ 日時:令和2年12月8日(火) 13:00〜16:10
【講義11】 ビジネスプランの作成・発表
講師:株式会社トータルオフィス・タナカ 代表取締役 田中美智子 氏 (福岡県)
最終回では、「ビジネスプランの作成」について改めて初回のおさらいを行い、
6次産業化に取組むうえで「将来のビジョン」「現状の課題」「売上・原価の算出」「今後の販売計画」等の必要性について改めて学びました。
そして最後に、研修生がチャレンジスクール全体を通しての感想や今後、取組
んでいきたい目標について、それぞれ発表を行いました。これからの6次産業化
の取組みについて、しっかりと考えを持って取組む姿勢が感じられました。
■インターンシップ研修■ 日時:令和2年9月30日(水) 13:00〜16:00
【インターンシップ研修先】 株式会社 ドリームファーマーズJAPAN【インターンシップ研修先】 株式会社 ドリームファーマーズJAPAN講師:代表取締役社長 宮田宗武 氏 ・ 代表取締役副社長 安部元昭 氏
現地視察として、宇佐市安心院町にある(株)ドリームファーマーズJAPANへのインターンシップ研修を実施しました。はじめに代表の宮田氏・安部氏による挨拶、会社設立の生い立ち、6次化プランナー支援を含んだこれまでの取組みについて講義を行いました。その後、ぶどうの圃場と加工所へ移動して、実際の生産物、及び加工に関する衛生管理等の現場見学を行ないました。
後半は直売所へ移動して、ドライフルーツ、ぶどうジュースなど、採れたての農産物や加工品が買える直売所での体験実習を実施。加工所と直売所を併設することで、鮮度のよい商品を購入できるだけでなく、情報発信の起点となり地域交流や地域振興の場となっていることも体験しました。
今回のインターンシップ研修では、「安心院町に人が来てほしい」という会社設立の思いを実現するため、農産物や加工品の販売・製造から広がる、6次産業化をはじめとする多様な取組みを知る貴重な場となりました。
大分県6次産業化サポートセンターでは、今後もこのような研修会を企画していきますので、皆様のご参加をお待ちしております。